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「夏樹に謝って欲しいわけじゃないんだ。
ねぇ、夏樹。夏樹は俺といて楽しかった?」
「は…い。もちろん………です。
あ、ラーメン屋さん、結局行けてませんね」
僕も先輩も辛いのが得意で、激辛ラーメンに挑戦しようって言ってたんだ。
「そうだね」
「映画も行けませんでしたね」
数年前に僕が読んでた小説が映画になって、先輩と行こうって言ってたのに、行かなかったのを思い出した。
先輩にとって僕との約束はどういう意味を持ってたんだろう。
いつもいつも僕の事を考えて、打ちやすいところに球を返してくれる先輩。
どんな気持ちで球を返してくれていたのかな……。
考えれば考えるだけ、自分の鈍感さに気づく……。
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