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「あ、あなたが柿崎さん、良かった、探してたんです」
「俺を?」
「はい。櫂……えっと蓮見の事で。
蓮見は友だちの彼女に手を出すような、そんな薄情な人間じゃありません。
あなたの彼女がどう思ったかは分かりませんが、蓮見を信じて許してやっていただけませんか?」
柿崎さんは僕から目を反らして、ボソッと呟いた。
「俺だって蓮見がそんな奴じゃないって分かってる。
でも、あいつに会ったせいで彼女にフラれたんだ。高校からだから、3年も付き合ってて、俺は結婚も考えていたのに」
柿崎さんは辛そうに俯いた。
櫂に会わなければっていうけど、本当にそうなのかな?櫂が居なくてもダメになってたのかもしれないのに。
でも、そんな事言っても仕方がない。
問題は、柿崎さんの気持ちがどうしたら収まるのかだ。
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