大好きな彼

大丈夫だよ

その時、急に目の前の人が怖くなった。

もしかして、この人は僕たちの事をみんなに言いふらすつもりかもしれない。
いや、もうすでに言ってるのかも。

僕は柿崎さんから離れようと、後ずさった。

「待って」

僕が逃げようとしたのが分かったのか、柿崎さんが近づいてきて、廊下の壁に追い詰められてしまった。

これって、ちょっと前に流行った壁ドンだよね。

僕より背の高い柿崎さんに見下ろされると、怖くて震えてきた。

何これ。壁ドンって怖いよ。
好きな人だとドキドキするのかな。
今は心臓が恐怖でバクバクしてるけど。