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「中司さん?」
柿崎さんの言葉なんて無視した中司先輩が、柿崎さんを僕からぐっと引き離した。
「夏樹、大丈夫?」
中司先輩に聞かれて頷くと、先輩は安心したように目を細めた。
「先輩はどうして?」
「ああ、講義に出るためだよ。
俺も理学部なんだ」
あー、そっか。すっかり忘れてた。
僕たちが話しているのを不思議そうに見つめていた柿崎さんが、「二人は知り合い?」と聞いてきた。
「中司先輩は、高校の先輩で今はテニスサークルの先輩なんです」
先輩が、話している僕と柿崎さんの間にぐっと体を入れた。
「柿崎、お前昨日も蓮見と問題おこしたんだろ?
いい加減にしろ」
先輩、僕も櫂みたいに柿崎さんに殴られるって思って助けてくれたんだ。
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