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なんだか今日は疲れたな……
もう授業がなかった僕は、先輩にお礼を言って帰ってきた。
バイトが休みで良かった。
今日は営業スマイルをする自信がないよ。
ベッドに寝転んでゴロゴロしていたら、チャイムの音が聞こえた。
母さんが、「夏樹ー、櫂君よー」と叫ぶのと同時に部屋のドアが開いた。
櫂にしては珍しくジャージを着ている。
「櫂、いらっしゃい。トレーニングでもしてたの?」
「サッカーしてたんだ。そしたら、柿崎が謝ってきて、変だなって思って問い詰めたら、全部話したんだ。
夏樹!」
びくん、と体が跳ねた。
怒鳴られる……そう思った時、「ありがとう」と櫂に抱き締められた。
「え、櫂?」
頭に櫂のキスが降ってきた。耳にも、頬にも……そして、優しく唇にキスが落とされる。
「俺のために、ありがとう。
でも、心配だから無茶はしないで。
俺に取って一番大事なのは夏樹なんだから」
そう言って、夏樹は更に深いキスをしてきた。
「え、櫂………んっ……まって……」
母さんも美夏もいるのに。
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