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「待てない」
櫂の舌が入り込んできて、優しく口内を一周した。
ああ……やっぱり櫂じゃないとダメだ。
僕は櫂の舌を探しだすと、初めて自分から舌を絡めていった。
「ん…櫂………好き、大好き…」
「夏樹……俺も……俺も大好きだよ」
階下では母さんが夕飯の準備をする音がするし、隣の部屋からは美夏が聞いている音楽が微かに聞こえてくる。
そんないつもの風景の中で僕と櫂だけが異質で、でもそんなことはお構いなしに夢中でキスをしていた。
「あっ……」
櫂の手が背中をゆっくり撫で下ろしていく。
そして、Tシャツの裾から入り込んでくると、脇腹をゆっくりと撫であげた。
身体中がゾクゾクして、背中がピクンと跳ねる。
「夏樹、可愛い」
櫂の息が耳にかかって、思わず「ふぁ……っ」と声が漏れた。
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