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「夏樹、海に行かない?」
琢磨に誘われたのは、バイトが終わって着替えているときだった。
「海?」
「そう。俺、来週じいちゃん家に行くんだ。
じいちゃん家、海の近くで泳げるし、魚もうまいんだ。
昔は大家族で住んでたから部屋もいっぱいあるからさ、一緒に行こうよ。
「え、でもバイトは?」
「大丈夫、大丈夫。オーナーが俺のおじさんって言ったよな?
父さんの弟がおじさんなんだけど、じいちゃんが心配らしくて、毎年おじさんから様子を見に行って欲しいって頼まれるんだよ。
だから、じいちゃん家にいくなら喜んで休みくれるから」
海かぁ。ちょっと楽しそう。
それに、新鮮な魚食べたいなぁ。
「僕が行っても大丈夫なの?」
「むしろ行ってほしい。じいちゃん、賑やかなの好きなんだ」
「じゃあ行きたいな。でも、櫂が……」
櫂って結構焼きもちやきだから、たとえ琢磨とでも嫉妬しちゃうかもしれない。
「そう言えば、サッカー部って来週合宿だったんじゃない?同じ日に行っちゃえば大丈夫だよ」
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