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「琢磨、どうして先輩の車に乗ってるの?」
今から一緒におじいちゃんの家に行くはずの琢磨が、どうして先輩の車に乗ってるのか理解できない。
すると琢磨が、「夏樹、ごめん」って頭を下げた。
「部室でじいちゃんに電話してたのを中司先輩に聞かれて、一緒に連れていって欲しいって頼まれたんだ。
車出してくれるって言うし……
だから……いいよな?」
「うん、僕は大丈夫だよ。
でも、先輩ってすごく海が好きなんですね」
「あ……………実はそうなんだ。
俺、海が大好きなんだ」
なんか棒読みだな。
海が好きだからじゃないのかな?
あ、魚が好きなんだ!
「分かった。魚ですね。
とれたての魚って美味しそうですもんね。
僕も楽しみです」
「夏樹、違うって『出発しようか?』」
琢磨の言葉を遮って先輩が言った。
「はい」
僕が助手席に乗ると、車が出発した。
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