1645人が本棚に入れています
本棚に追加
/460ページ
「今から来て。待ってるから」
「え、ちょっと、どういうこと?
待ってるってどこで?」
「夕方夏樹を見かけた所。
夏樹も見たんだろ、俺が走っている所」
夕方……あ、やっぱりあれは櫂だったんだ。
すごく似てると思ったんだ。
「分かった。
たぶん10分……ううん、5分で行くよ。
待ってて」
僕は電話を切ると階段を静かにかけ降りた。
おじいちゃんは早寝早起きだって聞いたから。
先輩と琢磨はまだお風呂から帰ってこない。
おじいちゃんの家のお風呂は大きくて、僕たち3人でも入れる広さだった。
「みんなで入ろう」って琢磨が言ったら、先輩が狭いからって反対したんだ。
「俺と夏樹が入るから、先輩は一人でゆっくり入って下さい。
行こう、夏樹」
琢磨が誘ってくれたのにまたまた先輩が反対して、結局じゃんけんで僕が1人で入ることになったんだ。今先輩達が入っている。
……僕も一緒に入りたかったな。
修学旅行みたいで楽しそう。
ここには2泊させてもらう事になっているから、明日は絶対みんなで入ろう。
『櫂が来てるからちょっと出てくるね。心配しないで』
そう琢磨にメッセージを入れてから、僕は外に出た。
最初のコメントを投稿しよう!