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「琢磨、僕ってダメダメだね。
先輩に対しても、櫂に対しても……。
みんなを傷つけてばっかりだ」
すると、琢磨が僕のおでこにデコピンした。
「バカ夏樹。
別に夏樹が悪い訳じゃないだろ」
痛いっ。何もデコピンしなくても……
「いいか。先輩は、夏樹が蓮見君を好きだって知ってて、それでも夏樹の側に居たいって思ったんだよ。
だから、夏樹は今まで通り蓮見君を好きでいていいんだよ」
「え……。それでいいの?」
「いいの、いいの。
まあ、それで先輩が離れていくんなら仕方がないことだし。
逆に、先輩が好きになったら蓮見君とは終わりなだけだよ」
櫂を好きなままでいいって言われて、すごく楽になった。
「琢磨、ありがとう」
「いいって。それより、夏樹、笑えー」
琢磨は僕の両ほっぺを掴むと、ムニッと引っ張った。
だから、痛いって……
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