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「元気になった？」
「うん、ありがとう。ところで先輩は？」
琢磨が黙って戸を開けると、廊下に先輩が立っていて、僕を見て恥ずかしそうにうつ向いてしまう。
「先輩も同じだよ。夏樹を困らせてるって悩んでるんだ。
だから、今は二人とも自分の気持ちに正直に行動すればいいんじゃないかな。ただ、相手に対しての思いやりは忘れないように……なんてね」
最後恥ずかしくなったのか、琢磨は冗談ぽく締めた。
「ナマイキ」
先輩が琢磨に言った。
「ほんと、ナマイキだ」
僕と先輩に言われて、琢磨が「えー、俺、いいこと言ったのに」って落ち込んでる。
琢磨ありがとう。
先輩もそう思っているよ。
琢磨のお陰で普通に戻った僕たちは、仲良く川の字に布団をひいて眠った。
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