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「う……ん」
何かが上に乗ってる気がして、苦しくて目が覚めた。
苦しいはずだよ。
大の字で寝ている琢磨の腕が、布団からはみ出して僕に乗っているんだ。
とりあえず起きて、腕を退かそう。
そう思ったのに、体が動かない。
「先輩?」
中司先輩が僕のお腹に腕をまわして、背中に張り付いているんだ。
……だから真ん中は嫌だったんだ。
じゃんけんで負けたから仕方がないんだけどね。
気持ち良さそうに寝ている先輩を起こすのは可哀想だけど、僕は先輩の腕を解いて体を起こした。
無意識なのか、先輩が何かを探しているように手を動かすからイタズラ心で琢磨の腕を持たせると、先輩はモゾモゾ動いて琢磨に抱きついた。
あ……。まあ、いいよね。
僕はウーンと伸びをすると、キラキラ光る海を見つめた。
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