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「でも、この１週間の櫂には驚いたわ。
あれは、子供ね。
そう言えば、幼稚園の時の櫂って、あんな感じだったよね。
夏樹に近づく人には怒って暴力ふるってたよね」
暴力というほどでもないけど、確かに乱暴してた。
言われてみれば、この１週間の櫂と似てるかもしれない。
……櫂、全然成長してないんだね。
2
僕が琢磨のおじいちゃんの家から帰ってきた次の日、櫂も合宿から帰ってきた。
あんな近くに行ってたのに、櫂と会えたのはあの１回だけだった。
真っ黒に日焼けした櫂が話を聞きたがったから、教えてあげたんだ。
櫂に会った次の日は、午前中は一人り暮らしのおじいちゃんのために、みんなでお家の大掃除をした。
お昼からは、海で遊んだりスイカ割りをしたり、夜には花火もしたんだよ。すごく楽しかった。
『写真はないの？』って聞かれて、琢磨から送られてきた写真を見せてあげたんだ。
櫂も楽しそうに見てたんだけど、最後に琢磨が『またみんなで一緒にお風呂入ろうな。流しっこ楽しかった』ってメッセージを入れたのを見た途端に顔色が変わった。
「お風呂………流しっこ……」
ブツブツ呟いて何か考え込んだ後、櫂は僕を近所の銭湯に無理矢理連れていったんだ。
お昼の誰もいない銭湯で、体を流しっこして、一緒に湯船につかって……恥ずかしすぎてのぼせそうだったよ。
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