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「あれ、あんた琢磨の友達だよな」
「はい」
僕が怪訝そうな顔をすると、男の子もムッとしたように目を細めた。
「覚えてないのか?海の家で会っただろ。
あんなにおまけしてやったのに、薄情だな」
海の家……って。
「あ、琢磨の友達の……えっと確か祐也君」
「そうそう。やっと思い出したか。
あんたもここでバイトしてるんだな。
あ、忘れてた。次郎さんこれじいちゃんから」
祐也君は、持っていた袋をマスターに渡した。
次郎さん?
マスターって、そんな名前だったんだ。
外見から、もっとかっこいい名前だと思ってた。
あ、いや、次郎さんがカッコ良くないなんて全然思ってないから。
いや、寧ろシンプルでいいかも。
チラッと見ると、祐也君とマスターが言い争いをしていた。「次郎さんじゃなく、マスターって呼べ」と怒っているみたいだけど、兄弟喧嘩みたいでほほえましい。
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