再会

5/24

1645人が本棚に入れています
本棚に追加
/460ページ
「あれ、あんた琢磨の友達だよな」 「はい」 僕が怪訝そうな顔をすると、男の子もムッとしたように目を細めた。 「覚えてないのか?海の家で会っただろ。 あんなにおまけしてやったのに、薄情だな」 海の家……って。 「あ、琢磨の友達の……えっと確か祐也君」 「そうそう。やっと思い出したか。 あんたもここでバイトしてるんだな。 あ、忘れてた。次郎さんこれじいちゃんから」 祐也君は、持っていた袋をマスターに渡した。 次郎さん? マスターって、そんな名前だったんだ。 外見から、もっとかっこいい名前だと思ってた。 あ、いや、次郎さんがカッコ良くないなんて全然思ってないから。 いや、寧ろシンプルでいいかも。 チラッと見ると、祐也君とマスターが言い争いをしていた。「次郎さんじゃなく、マスターって呼べ」と怒っているみたいだけど、兄弟喧嘩みたいでほほえましい。
/460ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1645人が本棚に入れています
本棚に追加