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抱いて……
続くはずだった言葉は、櫂の荒々しいキスに飲み込まれた。
もう怖くなんかない。
だって、こうなることを望んだのは僕なんだから。
絡んでくる舌に、僕も舌を伸ばして応える。
あの時と違うのは、僕からも櫂を求めていること。
櫂だけじゃないよ。
僕も望んでいるんだよ。心も体も全て櫂と繋がりたいんだ。
絶え間なく襲ってくる快感の波に翻弄されて、何も考えられなくなる。
「あっ……んっ………。櫂、櫂、好き、大好き。
もう、ダメ。……櫂……」
「俺も……。俺も大好きだよ。はあっ。
夏樹……これ以上はムリ……。だから……一緒に……」
「うん」
信じられないくらいの快感に包まれて、僕はこの前のように意識を手放してしまった。
だだ１つ違っていたのは、気を失う直前に幸せそうな櫂と目が合たことだ。何故だかわからないけど、すごくほっとして、すごく嬉しかった。
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