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苦しかったのか、うっすら目を開けた櫂が、不機嫌そうな僕を見て驚いている。
「夏樹、どうした?
どこか辛い?あ、辛いよな……分かってる。
どうしたらいい?何か飲むか?」
この前の事があったからか、櫂がオロオロしている。僕の機嫌が悪いだけでこんなに慌てるのを見ていると、嬉しくて笑ってしまった。
「良かった。夏樹、なんで怒ってたの?」
「えっと……櫂が初めて告白された時の事を考えたら、ムカッとしてきて……」
櫂が首をかしげながら、自信なさげに聞いてきた。
「初めて告白って……中学の?」
「そう。あの時の女の子、すごく健気で可愛かったからね。櫂もなかなか断らなかったし」
僕の答えを聞いて、今度は櫂がムッとした顔をした。
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