再会

24/24

1645人が本棚に入れています
本棚に追加
/460ページ
痛いくらいだった腕が、急に自由になった。 櫂…… 「ごめん。痛かったよな。 夏樹だけが悪いんじゃないのに。 周りに何を言われても良かった。 でも、夏樹に嫌われるのだけは耐えられなかった。 俺の気持ちを隠すために、わざと美夏にばかり話しかけてた時期もあった。だから、夏樹が誤解したのは俺のせいなんだ」 櫂も苦しかったんだね。 「僕も一緒だよ。告白もできないし、結局離れることも出来なかったんだから。 でも、今はすごく、すごく幸せだよ」 手を繋ぐ事も、腕を組む事も出来ないけど、こうやって隣に櫂が居てくれるだけで幸せなんだ。 些細なことですぐにすれ違ってしまう僕たちだから、気持ちはきちんと言葉で伝えていくね。 「帰ったらキスしようね」 僕は櫂に囁いて、走り出した。
/460ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1645人が本棚に入れています
本棚に追加