中司 仁(なかつかさ じん)

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**** 一学期の終わりに3年生が引退した。 俺は「人当たりがいいし、見映えもするから」という訳のわからない理由でキャプテンになった。 俺自身は冷めた人間だと思ってるんだが、キャプテンになってから部員の事を更に気にするようになった。 その中でも特に気になったのが上条だ。 ごくたまにだけど、寂しそうな表情を浮かべている時があるんだ。 ある日、あまりにも寂しそうな表情が気になって、友達と登校していたにも関わらず「上条」と声を掛けてしまった。 すると、上条と隣にいた女子の両方が『はい』と振り向いた。 え? びっくりしていると女子の方が『あ、夏樹の方か…』と笑った。笑顔が何となく上条に似ている気がする。 上条も笑って、「先に行ってて」と二人に声をかけてから俺の元にやって来た。 「キャプテン、おはようございます」 「おはよう。さっきの女子は?」 「美夏ですか?双子なんです。 だから、どっちが呼ばれたか分からなくて」 双子? 3人の関係がいまいち分からなかったのがスッキリした。 夏樹と『みなつ』という女子が双子で、『かい』と呼んでいる男が友達なんだ。
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