中司 仁(なかつかさ じん)

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夏樹の事は先輩として見守っていこう そう決めてからは、キャプテンとしてみんなを平等に見ようと心がけた。 けれど、誰も居なくなった部室で一人泣いている夏樹を見た時は、思わず抱き締めてしまった。 「……キャプテン」 夏樹は驚いていたけれど、泣き止むまで俺の腕の中に居てくれた。 夏樹が落ちついてから、理由を聞いてみた。 自分の胸にしまっておくのは限界だったんだろう。 名前こそ出さなかったけど、片思いをしていること。 片思いの相手には好きな人がいて、諦めようとしてもなかなか出来ないことをぽつりぽつりと話してくれた。 二人は両思いじゃないのかな? 俺が見ている限り、あの友達も夏樹の事が好きに思えるんだけれど。 でも、人の気持ちなんて分からないのかもしれない。 現に俺だって、彼女とうまくいってるって周りに思われてるんだから。
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