中司 仁(なかつかさ じん)

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バナナ・オレを飲み終えてホッとしている夏樹に「そろそろ帰ろうか」と声をかけると、コクンと頷いた。 もう涙も乾いて、目が少し赤いのを気にしなければ、誰にも泣いたと気づかれないだろう。 部室の鍵をかけて、二人で歩く。 そう言えば、夏樹と並んで歩くのは初めてだ。 意識すると、少し恥ずかしくなる。 「今日はすみませんでした」 「何が?俺のバナナ・オレを飲んじゃったこと?」 わざとふざけて言うと、夏樹は「違いますよ」と笑った。 「俺は何もしてないし、気にしてないよ。それより、相談してくれたことが嬉しいんだ。 だから、苦しくなったらまた相談して欲しいな」
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