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夏樹が大学生になってからは、サークルに誘ったり、飲み会に誘ったり、バーベキューに誘ったり………とにかく自分なりに距離を縮めようと頑張ってみたが、全く上手くいかない。
オレの周りにはいつも誰かがいて、なかなか夏樹と二人にはなれないんだ。
俺との距離は全く縮まらないのに、蓮見との距離がどんどん縮まっている気がしてならない。
焦った俺は、バーベキューの日についに夏樹に告白したんだ。
だけど、見事に振られてしまう。
あの時は本当に辛かった。
あんなに心が張り裂けそうで辛い経験は初めてだった。
もう諦めよう。
そう思ったけれど、出来ない。
泣いてすがって……本当にみっともなかったけれど、こんな自分も悪くないなって思えたんだ。
だから、もうちょっとだけ足掻いてみることにした。
夏樹が安永(やすなが)と海に行く約束をしたのを知ると、無理矢理付いていったんだ。
蓮見のいない海。
これがラストチャンスだと思っていた。
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