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まだびっくりしたままの櫂が、下から見上げる顔が可愛くて、僕は更にキスをした。
おでこ、目尻、ほっぺ、そして耳にキスしてペロッと舐めると、櫂が『あ………』と声を漏らした。
吐息混じりの声と共に長い睫毛が揺れる。
「綺麗だね」
そう声をかけると、ちょっとムッとした櫂に肩を掴まれて、あっという間に僕が下になっていた。
えっ……
さっきまでとは違う櫂が、意地悪そうに僕を見て、にやっと笑った。
「夏樹、ありがとう。でも、これからは俺がリードするから」
えっ、嘘、急にどうしたの?
今度は僕がパニックになる。
僕がキスしただけで、緊張して真っ赤になってたのに。
「夏樹はしたくないの?」
「……したいよ。したい」
「じゃあ、遠慮しないから」
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