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三度目だけれど、異物感は変わらない。
ただ、今までと違うのは、痛くて辛いだけじゃなく、それ以外の何かを感じることだ。
「夏樹、気持ちいいの?」
「わか……らない」
ため息を漏らすと、櫂が嬉しそうに笑った。
「そっか。でもすごく色っぽいよ。
ああ、ごめん。我慢できない」
その言葉と共に、さっきまでと比べ物にならないくらいの圧迫感を感じて涙が頬を伝った。
「んっ…………」
「もう少しだから、頑張って」
更にぐっと押し込まれて、一瞬頭が真っ白になる。
ハァハァと繰り返す呼吸が僕のものなのか櫂のものなのか分からない。
痛いのかそうじゃないのかも、感覚が麻痺してて分からないんだ。
けれど、心がポカポカして、幸せだって事だけははっきりと感じた。
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