嫉妬

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どれくらい時間が経ったんだろう。 櫂が僕から離れようとしている気配がして目を開けた。 「ひゃっ……」 中から櫂が抜かれるのを感じて、思わず声が出る。 「ごめん、痛かった?」 「ううん、違うんだ。大丈夫」 「じゃあ、手を離してくれる?このままじゃまた……」 言われて初めて、僕が腕を掴んで櫂の動きを止めていることに気がついた。 櫂が苦しそうに息を吐いた。 「うわっ」 櫂が、僕の中で固さを取り戻していくのが分かって体が跳ねる。 「夏樹、我慢できなくなるから締め付けないで」 「我慢しなくていいよ」 僕の言葉に、櫂の目が見開かれた。
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