嫉妬

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「夏樹、夏樹、起きて」 無理矢理目を開けると、心配そうな櫂が僕を覗き込んでいた。 「あ……僕……」 「ごめん、もっと寝かせてやりたいんだけど、母親が帰ってくる前にお風呂入らないと…」 櫂が申し訳なさそうに言うから、何だか可笑しくて笑ってしまう。 「なんで櫂が謝るの?」 「ゴム、付けるの忘れたから…」 そっか。今まではゴムを付けてくれてたから、拭くだけでも良かったけど、今日はそうはいかないんだ。 一緒に入って掻き出してあげるという櫂を断って立ち上がると、体の中に溜まっていた物がドロリと出てきた。 慌ててティッシュで押さえると、恥ずかしさで真っ赤になる。 急いでお風呂場に行こうとしたけど、足に力が入らない。
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