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「なんかムリさせてごめんな」
櫂が僕の頭を撫でながら謝ってくれる。謝ることなんて何にもないのに。
僕は櫂を引き寄せて、頬にキスをした。
「ううん。僕こそごめんね。
櫂を不安にさせてしまって。
でも、これだけは信じて。
何があっても、僕には櫂しかいないから。
昔から僕が好きなのは櫂だけだから」
「うん、ありがとう、信じるよ。
俺も同じだよ。出会った時から夏樹しか見てないから。
一生夏樹しか好きにならないし、なれないから」
頭を撫でていた櫂の手が僕の頬を優しく撫でる。
「んっ………」
櫂のキスは、いつも僕をとろけさせる。
しびれる頭の片隅に「おやすみ、ゆっくり休んで」っていう櫂の声が響いた。
僕は櫂に抱き締められたまま、眠ってしまった。
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