嫉妬

18/24
前へ
/460ページ
次へ
「なんかムリさせてごめんな」 櫂が僕の頭を撫でながら謝ってくれる。謝ることなんて何にもないのに。 僕は櫂を引き寄せて、頬にキスをした。 「ううん。僕こそごめんね。 櫂を不安にさせてしまって。 でも、これだけは信じて。 何があっても、僕には櫂しかいないから。 昔から僕が好きなのは櫂だけだから」 「うん、ありがとう、信じるよ。 俺も同じだよ。出会った時から夏樹しか見てないから。 一生夏樹しか好きにならないし、なれないから」 頭を撫でていた櫂の手が僕の頬を優しく撫でる。 「んっ………」 櫂のキスは、いつも僕をとろけさせる。 しびれる頭の片隅に「おやすみ、ゆっくり休んで」っていう櫂の声が響いた。 僕は櫂に抱き締められたまま、眠ってしまった。
/460ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1645人が本棚に入れています
本棚に追加