放っておけない

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お母さんは、先輩の携帯から僕のアドレスを探して連絡したらしいんだ。 「仁に知られたら勝手な事をするなって怒られるかもしれないけど、あの子が元気になってくれるなら構わないの」 お母さんは、涙をハンカチで押さえながら震える声で言った。 「僕に何が出来るかわかりませんが、先輩に会わせていただけますか?」 「もちろんよ。 お願いします。仁に会ってやって下さい」 僕と櫂は、お母さんに付いて2階に上がっていった。 一番手前のドアをお母さんがノックすると、中から「はい」と先輩の声が聞こえた。 「仁、入るわよ」 ドアを開けたお母さんに付いて部屋に入ると、先輩がベッドに寝転んだまま視線を向けた。
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