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夜になると人通りがなくなるのか、歩いているのは僕らだけだ。
男同士で手を繋ぐなんて、どう考えてもおかしいのに、櫂は気にならないの?
だんだん辺りが賑やかになってきた。
「櫂、手を……」
「あ、そうだな」
その時、櫂が小さな声で何か言った。
「え?何て言ったの?」
「何でもないよ」
心なしか櫂の顔が赤く感じる。
気のせいかもしれない。
でも、僕には確かに聞こえたんだ。
「夏樹、俺から離れていくな」と櫂が呟くのが。
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