放っておけない

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「先輩……」 「ハハ。俺何を言ってるんだろうな? 夏樹も蓮見も来てくれてありがとう」 無理矢理笑顔を作る先輩から離れることが出来ずに戸惑っていると、櫂が『夏樹は今日泊まらせてもらったら?明日迎えに来るから』ととんでもないことを言い出した。 「櫂、何を言って『いいんですか?』」 僕の言葉に被さるように先輩のお母さんが聞いてきて、びっくりする。 「僕は大丈夫ですが……」 急に泊まるだなんてご迷惑じゃないのかな? 先輩のお母さんがホッとしたように『ありがとう』と頭を下げるので、僕も『いいえ』と答えてしまった。 「じゃあ、俺は帰るから。 夏樹、明日連絡くれよ」 櫂は僕の頭にポンと手を置くと、先輩とお母さんに「おじゃました」と挨拶してから玄関に向かった。
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