1645人が本棚に入れています
本棚に追加
****
櫂を見送って先輩の家に戻った。
「おじゃまします」
と言ってリビングに戻ると、先輩が「良かった」と小声で呟いた。
「帰ったと思ったんですか?」
「……うん、そう思ってた。だから、夏樹が居てくれて嬉しいよ」
力なく笑う先輩を見ていると、ちょっと泣きそうになった。
これからどうしよう。
先輩は疲れてるみたいだから、部屋に連れていった方がいいのかな?
それともお風呂かな?
「ハハハ、夏樹キョロキョロしてどうしたの?
とりあえず、俺の部屋に行こうか?」
「はい」
僕は先輩を後ろで軽く支えながら、階段を上った。
最初のコメントを投稿しよう!