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部屋に入ると、先輩はベッドに腰かけて深く息をはいた。
無理してたんだろうな。
すごく辛そうだ。
「大丈夫ですか?僕に構わず寝転んで下さい」
「うん、大丈夫。結局、夏樹に迷惑かけちゃってごめんな」
「いいえ。……先輩、一体何があったんですか?」
先輩の前に座って、顔を覗き込んだ。
僕が泣いても仕方ないのに、込み上げてくる涙を我慢することができない。
先輩はそっと手を伸ばして僕の目元をこすった。
「また、夏樹を泣かせちゃったな。
夏樹には笑っていてほしいのに」
「僕の事はいいんです。
先輩に何があったか教えて下さい」
僕の必死の問いかけに、先輩は不思議そうに首を傾げている。
「ごめん、わからない。
ただ、急に何もする気が起きなくなって、部屋から出るのさえ面倒になってしまったんだ」
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