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今日はもうこれ以上聞かない方がいいかもしれない。
「先輩、すごく辛そうだから寝転びましょう」
「……うん」
今度は素直に横になった先輩にタオルケットをかけてあげていると、コンコンと部屋がノックされた。
「夏樹君、下の和室にお布団ひいたんだけどいいかしら?」
「はい。……あっ……」
先輩が『行かないで』っていう風に僕の服をぎゅっと掴んだので、僕はお母さんに言った。
「せっかくひいていただいたのにすみませんが、今夜は先輩の近くにいます」
お母さんは、僕と先輩を見てちょっと涙ぐみながら、『そうね』と言った。
「夏樹君、仁をよろしくね」
「はい」
僕は大きく頷いた。
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