放っておけない

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礼は赤くなった耳をさすっている。 ちょっと力を入れすぎたかな…… 「ところで、夏樹君はどうしてるの?」 「寝てる。 夏樹、来てくれた時からしんどそうで、食欲もあまりなかったんだよ。 過呼吸も弱ってた上にストレスがかかって起こったんじゃないかな。 だからか、部屋に帰ってすぐに寝ちゃったんだ」 「そうだったんだ。悪いことしたな。 ところで、仁はどうやって夏樹君の異変に気づいたんだ?」 「ちょっと座っていい?」 礼に対する怒りが収まると急に疲れてきて、ベッドの端にどかりと座った。 「なんだった?あー、最近眠りが浅くてノックの音と夏樹が出ていった音で起きたんだ。 夏樹を礼と二人にしたくなくて見に行ったら、何だか様子がおかしかったから。 でも、大事にならなくて良かったよ」
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