1645人が本棚に入れています
本棚に追加
誰かに呼ばれたような気がして目を開けると、先輩が僕の肩を揺すっていた。
「夏樹、おはよう。
さっきから何回も電話が鳴ってるよ」
電話を知らせるために、起こしてくれてたんだ。
「すみません」
まだぼんやりとした頭で電話に出ると、『遅い』と櫂に怒られた。
「櫂……おはよう」
「おはようじゃないよ。
今、何時だと思ってるんだ。連絡がないと心配するだろ」
「えっ、今何時?」
僕の問いに、櫂が呆れたように『10時だよ』と答えてくれる。
10時?
そんな時間まで寝てたことにびっくりしたからか、やっと頭がハッキリしてきた。
「迎えに行くから連絡してって昨日言ったよな。
とにかく今から行くから」
それだけ言うと、櫂は電話を切ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!