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「夏樹こそ大丈夫なの?連絡ないし、電話にもでないから、心配でどうにかなりそうだった」
「ごめん、ごめんね、櫂。
……泣かないで」
「夏樹を見たら、ホッとして……。
情けないな」
少し涙を浮かべた櫂が愛をしくて、僕は腕を回してぎゅっと抱き締めた。
「心配かけてごめんね。僕は大丈夫だよ。
先輩の看病で残ったのに、何もしないまま寝てしまったみたいなんだ」
「夏樹は一回寝ちゃうと、なかなか起きないもんな」
櫂が首の辺りでしゃべるのでくすぐったい。
「そうだね。櫂の電話にも気づかなくて先輩に起こしてもらったんだ」
「やっぱり」
少しは安心してくれたかな?
腕を緩めて櫂の顔を覗き込もうとした時、『相変わらず仲良しだな。でも、キスはちょっと……』っていう声が聞こえて、ここが先輩の家だと言うことを思い出した。
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