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「キ、キスなんてしないです」
オロオロしているのは僕だけで、先輩と櫂は平気な顔をしている。
「そう?そんな雰囲気だったけどな」
「俺は全然構わないけど。今からでもする?」
先輩には首を思いきり横に振って否定を示し、櫂には手の甲を力一杯ぎゅっとひねって黙ってもらった。
赤くなった手をさすっている櫂はさっきより涙目だけど、今度は自業自得だから放っておく。
櫂は僕をチラッと見た後、先輩に向き直った。
「すみませんでした。
体はどうですか?
昨日よりは元気そうに見えるのですが…」
「いいよ。それより、蓮見にも迷惑をかけて悪かったな。
お前たちのお陰で、ずいぶん元気になったよ」
「それは良かったです。
じゃあ、夏樹は連れて帰りますね。
夏樹、帰ろう」
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