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side 中司 仁
夏樹が荷物を取りに行ったのを確認して、俺は口を開いた。
「蓮見、夏樹を泊まらせてくれてありがとう」
「いえ。あれは俺のためでもあるんです。もし昨日強引に連れて帰ってたら、俺といるのに先輩の事ばかりを考えている夏樹を見ることになったでしょう。
それが、耐えきれなかったんです」
「そうか。それでも、ありがとう。
お前心配で寝てないんだろ?」
蓮見はバツが悪そうに目を背けた。
俺が蓮見だったら、夏樹を置いて帰れたかな?いや、考えるまでもない。答えはNOだ。例え一晩中夏樹が他の男の事を考えていても、その男の側においてやることなんて出来ない。
基本的にこいつも夏樹も純粋で真っ直ぐなんだ。
俺みたいに歪んでないんだ。
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