紹介

11/17

1643人が本棚に入れています
本棚に追加
/460ページ
その時、僕の隣の窓が外からドンと叩かれた。 びっくりして外を見ると、不機嫌そうな櫂が立っている。 え、櫂が叩いたの? 櫂はじっと僕たちを見ると、くるっと背を向けて歩き出した。 あ……、美夏と彼の事がバレたかもしれない。 僕は、絶望的な気分におそわれた。 「櫂、どうしたの?」 美夏の声で我に返ると、櫂がテーブルの横に立って僕たちを見下ろしていた。 櫂は帰ろうとしたんじゃなかったんだ。 「誰?」 葛城さんが美夏に聞いた。 「幼馴染みなの」 美夏が言った途端に、櫂が美夏の腕を取って立たせ、自分の方に引き寄せた。 ズキン……と僕の心に痛みが走った。
/460ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1643人が本棚に入れています
本棚に追加