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「じゃあ、夏樹の気持ちは?」
カラオケの時に櫂に聞かれた事を思い出した。
もしかして、櫂はずっと不安だったのかもしれない。
自分だけが僕を好きだって思い込んでたんじゃないかな。
僕が気持ちを伝えてこなかったせいだね。
こんなに辛い思いさせて、ごめんね。
僕は櫂をそっと抱き締めた。
腕の中で、櫂の肩がピクリと跳ねあがる。
「櫂、聞いてくれる?
僕は櫂が好きだよ。
友達としてはもちろんだけど、恋愛として好きなんだ。
だけど、僕は男だから、絶対に叶うはずないって思ってた。
知られたら、櫂に嫌われて側にいられなくなるって思ってたんだ。怖かった。
だから、必死で隠してた。
本当の僕は美夏にまで嫉妬してたんだ」
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