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夢を見た
幼稚園のお昼寝の時の夢
「櫂くん、ちゃんと自分のお布団で寝ないとだめよ」
「いやだ、なちゅきとねる」
「暑いし、夏樹君も一人で寝たいよ」
「なちゅきはいやなの?」
櫂が離れまいとぎゅっと抱きついてきた。
暑いけど、僕も櫂と一緒に寝るのが好きだったんだ。
「いやじゃないよ。ぼく、かいがだいすきだから」
そう言って僕も櫂に抱きついた。
「あらあら、仕方ないわね。今日だけよ」
先生は毎日同じセリフで許してくれる。
ドクドクドクドク。僕のか櫂のか分からない心臓の音を聞きながら、僕たちは眠りに落ちていった。
聞き慣れない音楽に、ハッと目を覚ます。
あれ、ここって……
後ろから誰かの手が伸びてきて、サイドボードの上なある携帯を掴んだ。
「ごめん、起こしちゃったな」
後ろを振り向くと、まだ眠そうな櫂が携帯を操作していた。
あの音楽は目覚ましだったんだ。
そうだ。僕、櫂の部屋に泊まったんだ。
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