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僕は慌てて櫂の腕を掴んだ。
これ以上すると、本当にやばい。
「櫂、もう……」
「あ、ごめん」
切羽詰まった気持ちが伝わったのか、櫂は名残惜しそうに離れてくれた。
「はぁ。何でバイト入れたんだろう」
すごく残念そうに言うから、ちょっと笑ってしまう。
「時間、大丈夫?」
「やばい。朝ご飯食べる時間ないや。ごめんな」
「家で食べるからいいよ。それより、櫂は大丈夫なの?」
櫂は着ていたTシャツを脱ぎながら、「トラックで食べるから大丈夫」って教えてくれる。
だけど、僕は筋肉のついた体にドキドキしてあまり聞いてなかったんだ。
「夏樹、顔が赤いけど」
からかう櫂を無視して、僕も借りていたTシャツを脱いだ。
昨日の服を着るのは嫌だけど、すぐに着替えるから我慢する。
急いで着替えて、借りていたTシャツと短パンを返そうとしたら、真っ赤になった櫂が固まっていた。
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