彼シャツ

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「なんかエロいな。 夏樹も千帆って子に思った?」 「思ってないよ。 困っただけだよ」 エロいなんて全く感じなかった。 ……ただ、足が綺麗だなって思ったけど。 急に腕を引かれて、櫂の胸に顔がぶつかる。 何…… すると、櫂が『ムカツク』って呟いた。 え……… 櫂の手がシャツの中に入ってきて、背中を撫でられる。 考えたくはないけど、パンツとか丸見えの情けない格好になってるんだろうな。 でも……ただ撫でられてるだけなのに、身体中がゾクゾクして、『はあっ』と甘い吐息が漏れる。 「櫂、それ、やだ……っ」 「やだ、じゃないだろ?」 櫂の手がお腹を撫でて、そのまま上に上がっていく。 「あっ」 ある一点に触れられて、思わず声が漏れてしまう。 「ほら。気持ちいいんだろ?」 気持ちいい? 何もかもが初めてで、それすらも分からない。 「俺以外に欲情すんなよ」 僕から離れると怖々腕を伸ばして、僕の頬にそっと触れながら言った。 さっきまでの意地悪な櫂は身を潜めて、不安そうに眺めてくる櫂が愛おしくて泣きそうになる。
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