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家に帰ってきても、美夏は泣きじゃくっていた。
「もう怒ってないから」
「うん。ごめんね」
さっきまでの自分を思うと、千帆さんがシャツ1枚でいただけであんなに怒る必要はなかったのかな……と思ってしまう。
「あのね、修也さんと千帆ちゃんのこと、聞いてくれる?」
「二人の事?いいけど」
「じつは……」
美夏の話によると、あの兄妹は連れ子どうしの再婚で、修也さんとお父さんが暮らしていた家に千帆さんとお母さんが引っ越してきた。
千帆さんは、親しい友達や住み慣れた環境から離れなければならず、再婚を嫌がったんだって。
だから、再婚するために、家族全員で千帆さんの機嫌を損ねないようにしてきた。
その結果、千帆さんはどんどんわがままになっていった。
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