断れないわけ

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あー、だからか。 僕が思い通りにならないのが気に入らなくて、執着してるだけなんだ。 結局は僕なんかどうでもよくて、お兄ちゃんにわがままを言って家族である事を確認してるだけなんたよね。 修也さんも、わがまま言われるのが嬉しいんだね。 僕も美夏も家族ごっこに振り回されただけなんだ。 「美夏さ、修也さんの事、本当に好き?」 「うん。優柔不断なとこあるし、見栄っ張りだし、シスコンだし、嫌な所もいっばいあるよ。 でも、一緒にいるとドキドキするの。話しているだけで楽しいの。私の事が好きだって、すごく伝わってくるの。そして何より私が大好きなの」 美夏は本当に幸せなそうに笑った。 「夏樹は?好きな人いるの?」 「そんな人が出来たら、美夏に報告するから」 美夏ごめん。本当はもういるんだ。 好きな人。 でも……報告はしない。できないよ。 ごめん。
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