バーベキュー

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包装を外したチョコレートをおずおずと先輩の口の近くに持っていった。 すると、僕をちらりと見た先輩が『ありがとう』と言いながら、僕が指で摘まんでいるチョコレートをぱくりと食べた。 先輩の柔らかい唇がホンの一瞬指に触れてドキドキする。 「うまい」 「あ、良かったです」 先輩の表情が少し柔らかくなった気がする。 「夏樹、ペットボトルの蓋、緩めてもらってもいいかな」 「あ、はい」 チョコレート食べたから喉が乾いたのかな。 僕はお茶のペットボトルの蓋を緩めて先輩に渡した。 「ありがとう」 先輩はお茶を一口飲むと、眩しいくらいの笑顔でお礼を言ってくれた。 「いえ」 僕も先輩に笑顔を返す。 良かった。少し場が和んだ気がして嬉しく感じていたら、「ポッキーちょうだい」と櫂が言った。 櫂も気を使ってくれるんだね。 嬉しくなって、二種類のポッキーの箱を渡した。
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