0人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、その日曜日。勝浦の築地にある老舗旅館の2階の一室に僕ら3人は出かけた。本郷猛、いや仮面ライダー1号はソファーに座って「いや~。こんにちは。今日はよろしくお願いしますね」と挨拶。おいさん記者は、「こちらこそ、よろしくお願いします。あっこの子は、うちの息子でこっちがその友達です」と僕らを紹介してくれた。「そうですか。僕ら仮面ライダー好きかい」僕らは2人目を合わせて「ほっほ本郷猛がしゃべってるぞ」と心の中でつぶやいた。「あっはい、大好きです。いつも仮面ライダーみてます。」と0君。僕ら2人は、好きどころか朝から晩まで仮面ライターで仮面ライダースナックのカードを集めまくっていたほどである。それからしばらく、おいさん記者は、インタビューをしソファーに座っている本郷猛の写真を撮ったりしていた。そして本郷猛が「僕いっしょに写真とろうか。おいで」となんと0君をひざの上に座らせたのである。すかさずおいさん記者はシャッターをきった。
「さあ、もう次の撮影の準備があるからごめんね。これからも仮面ライダー応援頼みます。」と僕ら3人と握手してくれた。「今日はありがとうございました」と僕ら3人。そして、僕ら3人は1階に降り玄関先にでた。「くっそー。なんでおまえだけ写真とってもらえたんや。なんでやねん。」と僕は本当に腹立ったが口にはせず顔はにこにこしておいた。「いや~。良かったね。ほんま。あれ、サイクロン号おいたあるで」とおいさん。「うわ~。ほんまや。すごー。」と僕と0君は駐車場に置いているサイクロン号に近づいた。しばらく眺めたあと僕ら3人は帰路についた。サイクロン号を見てから僕と0君は0君家に着くまで無言だった。なぜかって。駐車場に置かれていたサイクロン号のボディの一部は木材でできており、ぽっかりと大きな穴があいていたからである。
第1話終わり。
最初のコメントを投稿しよう!