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 地平線に沈む筋状の陽の光が逆光になり、セイジの表情は窺い知ることができなかった。  だが、その言葉に嘘偽りなどないことは、彼女にはお見通しだった。 「では参ろうか、兄君の婚約を祝いに」 「ディートリンデ。相変わらず、きみは祭に目がないな」  セイジはやれやれと肩を竦ませると、浮かれた様子で鼻歌を歌うディートリンデの手綱を引いて、王城へと向かった。  陽はすでに落ち暮れて、街には点々と明かりが灯りはじめていた。
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