ついに、辿り着いた。

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「こ、こ、ここはどこだ!」 目を覚ました俺は叫んだ。 「まさか、ここが噂の!!」 俺はミステリー雑誌の編集者。 心霊現象や都市伝説、UFO、未解決事件など 様々な不思議な現象を扱った雑誌をつくっている。 連日、取材と原稿の執筆に追われて徹夜が続き、 休みもないような生活をしているが、 不思議な現象の探求は、俺のすべてだ。生甲斐だ。 今は、ひとつの都市伝説の真相を追っていた。 それは、最近ネット上で噂されているもので、 パラレルワールドが存在するというもの。 パラレルワールドに行くための色んな方法が検証され、 実際に行ったという書き込みがあったりするが、 嘘の情報も混じっているため、どれが本当かわからない。 だから、俺は、雑誌に検証のコーナーのページを設け、 1個ずつ試して記事にしていた。 今までに9個の方法を試したが、どれも失敗に終わっていた。 「さすがにパラレルワールドは存在しないだろう。 面白いコーナーだったが、次で、丁度連載10回目の節目だ。 それが終われば、新しい企画を考えてくれないか」 編集長にそう言われた。 俺は、パラレルワールドは存在すると思っていたし、 存在して欲しいと思っていた。 そして、とうとう最後の10個目を試したのだった。 その方法を試しても直後には何も起こらない。 眠った時に、夢の中からパラレルワールドに行くというものだった。 そのまま仕事場で原稿を仕上げ、帰路についた。 そして今、目が覚めた俺は、びっくりしている。 嬉しい気持ちと不安な気持ちが入り混じる。
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