夏。

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◇ ◇ ◇ 「右よ!右右!そう!」 「ひやっほう!割れた割れた!」 「食べましょう!喉が渇いたわ。」 2人はものの見事に砕かれたすいかのかけらを持って、おおはしゃぎ。そのままかぶりとみずみずしいすいかにかぶりついた。そして、少女は嬉しそうに声を上げた。 「夏最高!」 ◇ ◇ ◇ そして季節は秋へと近づく頃。夏休みの最後の日。少女の机には空欄の紙束が積み重なっている。少女は手を小さくふるふると震わせた。そしてその震えが大きくなった時。少女は大きな声で叫んだ。 「夏なんてなくなればいいのにー!」 その翌日のことは言うまでもない。
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