あの夏

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刺すような陽射し。 生ぬるい風が汗ばんだ肌にまとわりつく。 文句のつけようがない程の夏真っ盛り。 夏が来るといつもあの子のことを思い出す。 楽しかったあの夏を。 あの子と一緒にいたのは夏の間だけだった。 だからあの子との思い出は夏にしかない。 例えば。 風鈴のなる縁側で一緒にスイカを食べたこと。 川遊びしていて危うく流されそうになったこと。 どちらが多く蝉の脱け殻を集められるか競争したこと。
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